施工レポート Vol.02 2026 Summer
「人を動かす難しさ」が、自分を成長させてくれた
大手通信会社のサーバー管理施設で、複数拠点の既設空調機器を更新・移設。入社3年目の施工管理者が、工程調整や現場判断を通じて成長した施工レポートです。
施工レポート Vol.3 2026 Autumn
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工事部工事一課 主任 西田 大地
| 物件 | 公共機関の複合施設(4階建て) |
| 種別 | 新築工事(衛生) |
| 内容 | 保育室・沐浴室・厨房、トイレ等の衛生設備、外構配管 |
| 期間 | 13か月 ※取材時は着工から約5か月 |
公共機関の複合施設の新築工事で、衛生設備を担当しています。保育室や沐浴室、厨房、コミュニティースペースなど、ひとつの建物にさまざまな施設が集まっています。子ども用のトイレ等もあったりして、いろいろなタイプの水回りがある現場ですね。
自分は今年から主任になりまして、現場は一つ下の後輩との2名体制で、上には課長という布陣です。これまでは空調工事を任されることが多く、実は、本格的に衛生工事を担当するのは初めてでした。不安がなかったといえば嘘になりますが、社内には豊富な経験や知識を持った先輩や上長がいます。後輩の疑問には自分が答えつつ、自分の疑問は先輩に聞くことで、行き詰まることなく進められています。


新築現場の経験がない後輩で、自分は直近で経験していたので、今回は特に教えることが多い現場です。いい意味で場所も時間も問わず質問してくれる後輩なので(笑)、事務所でも現場でも、図面を広げたりしながら伝えるようにしています。
弊社には「ユタカノート」という、会社から支給されるオリジナルのノートがあります。自分もわからないことは事前に書き留めて、わかる人に聞く。あるいは自分で調べて答えを出し、それが合っているかを確認する。今でも続けている習慣です。後輩も同じようにメモを取っていますので、一緒に学びながら、という感覚が強いですね。
ただ、人に伝える力という点では、まだ苦戦しています。

やはり配管でしょうか。ピットといって、マンホールの下、1階の下にあたる空間があるのですが、そこに給排水などの衛生設備の配管をすべて通します。空調ではあまりない、衛生ならではの作業です。
排水は勾配が命ですから、スリーブが一か所ずれているだけで管の勾配が取れなくなってしまう。スリーブとは配管を通すための筒状のもので、コンクリートを打つ前に仕込んでおきます。建物ができ上がってしまうと、後から穴を開けることはなかなかできません。ですから、110か所すべてを一つずつ自分たちで検査して、お客様にも確認していただきました。地道ですが、絶対に間違えられない作業でした。
配管の施工図は課長に作成してもらっていますが、自分としては壁プロット図の作成にも初めて挑戦しました。

中東情勢の影響※1で、スリーブの材料そのものが入ってこなくなったことです。弊社だけでなく、日本中の建設現場が同じ状況だったのではないでしょうか。
幸い、事前に早めに手配していたおかげで当座の分は十分な数を確保できていましたので、空調さんや電気さんから「少し分けてもらえないか」とご相談いただいたりもしました。現場は自分たちだけが終わっても先に進みません。他職が終わらなければ次の施工段階に行けませんから、助けられるところは助け合います。
結果的には、工事が進むとやはり足りなくなってしまい、別の用途で頼んでいた材料を転用したり、お客様に「この材料であれば施工できます」と代替案をご提案したりして、何とか乗り切りました。
※1 2025-26年、中東情勢の緊迫化により、ホルムズ海峡の船舶通航が大幅に減少。紅海・スエズ航路の混乱も重なり、世界的に海上輸送や資材調達が不安定化しました。
空調・衛生のどちらも施工する現場では、両方の範囲を見られることが強みになります。実際、今の現場でも、自分たちが施工したトイレなどの排水系統と、空調屋さんのエアコンの排水系統を結ぶ箇所が出てきます。「ここまではうちがやるので、その先を教えてください」「この配管はいつ施工するので、それまでにお願いします」と、密に打ち合わせを重ねていくのですが、こちらに両方の知識があると、格段に進めやすくなります。
今回の工事のお客様と弊社はお付き合いが長く、「ユタカさんだから大丈夫だよね」と言っていただける機会が本当に多いんです。ただ、それは自分がやってきたことではなく、弊社が積み重ねてきたことの結果です。だからこそ、若い世代がその信頼を裏切ってはいけない。甘んじることなく、一つひとつ丁寧に向き合うことが大事だと感じています。
いつか「空調も衛生も経験している西田が活きるね」と言っていただける人間になりたい。初めての衛生工事は、そのための経験を積む場でもあると思っています。

